長期金利とは?2026年の最新水準・今後の見通し、住宅ローンや日経平均への影響を解説

長期金利が上がるとどうなる?主な影響

長期金利の上昇は、経済全体に一方的な利益や損失をもたらすものではありません。お金を借りる側には負担が増えやすい一方、お金を預ける側や新たに債券を購入する側には収益機会が広がる場合があります。

対象 長期金利上昇時の主な影響
住宅購入者 新規の固定型住宅ローン金利が上がりやすい
企業 社債発行や長期借入れの費用が増えやすい
預金者 定期預金などの金利が上がる可能性がある
新たな債券購入者 以前より高い利回りで購入できる可能性がある
既存の債券保有者 保有債券の市場価格が下落しやすい
銀行・保険会社 利息収入が増える可能性がある一方、保有債券の評価損が生じる場合がある
政府 国債の借換えや新規発行に伴う利払い費が徐々に増える

長期金利上昇のメリット

新しく預ける定期預金の金利が上がる可能性がある

市場金利や日銀の政策金利が上昇すると、銀行は預金を集めるため、定期預金などの金利を引き上げる場合があります。預金者にとっては、以前より多くの利息を受け取れる可能性があります。

ただし、長期金利が0.5%上がったからといって、普通預金金利も直ちに0.5%上がるわけではありません。預金金利は、政策金利、銀行ごとの資金需要、競争環境などを踏まえて決められます。

新たに購入する国債や社債の利回りが高くなる

債券市場の金利が上がると、新たに発行される国債や社債は、投資家に購入してもらうため、以前より高い利回りを設定する傾向があります。

国債などを新しく購入して満期まで保有する場合、低金利時より多くの利息を得られる可能性があります。ただし、社債には発行企業が返済できなくなる信用リスクがあり、国債にも途中売却時の価格変動リスクがあります。

銀行や保険会社の収益環境が改善する場合がある

金利が上昇すると、銀行は貸出金利と預金金利の差から得る収益を増やせる可能性があります。保険会社や年金運用機関も、満期を迎えた債券の資金を以前より高い利回りで再運用しやすくなります。

一方で、金利が急上昇すると、保有する国債などの市場価格が下落し、評価損が発生することがあります。金融機関にとっても、金利上昇が常に利益になるわけではありません。

長期金利上昇のデメリット

固定型住宅ローンの返済負担が増える

新規に借りる全期間固定型住宅ローンや、固定期間を選択する住宅ローンは、長期金利の影響を受けやすい商品です。金利が上昇すれば、同じ金額を借りても毎月の返済額と総返済額が増えます。

企業の設備投資や不動産投資が慎重になりやすい

工場、店舗、物流施設、賃貸住宅などの投資では、長期間の借入れが利用されます。借入金利が上昇すると、事業から得られる利益に対して利息負担が重くなるため、新規投資を延期・縮小する企業が増える可能性があります。

既に発行された債券の価格が下がる

低い利率で発行された既存債券は、新たに発行される高利率の債券に比べて魅力が低下します。そのため、満期前に売却すると、購入価格を下回る可能性があります。

株式の評価が下がる場合がある

株式の理論価格を計算する際には、将来得られる利益や配当を現在の価値へ割り引きます。長期金利が上がると割引率も上昇し、特に将来の成長期待が株価へ強く反映された企業の評価が下がりやすくなります。

ただし、景気が強く企業利益も伸びている状況では、金利が上がっても株価が上昇することがあります。金利だけで株価の方向を決めることはできません。

長期金利と住宅ローンの関係

住宅ローンには、大きく分けて「全期間固定型」「固定期間選択型」「変動型」があります。それぞれ影響を受けやすい金利が異なります。

住宅ローンの種類 影響を受けやすい金利 金利上昇時の主な影響
全期間固定型 長期金利 新規借入れの適用金利が上がりやすい。借入れ後の適用金利は原則変わらない
固定期間選択型 固定期間に応じた市場金利 新規借入れや固定期間終了後の金利が上がる可能性がある
変動型 短期金利や銀行の基準金利 日銀の政策金利や銀行の基準金利が上がると適用金利が上がる可能性がある

長期金利が上昇しても、既に全期間固定型で借りている住宅ローンの適用金利は、通常は変わりません。一方、これから固定型を借りる場合や、固定期間が終了する場合には影響を受ける可能性があります。

変動型住宅ローンは主に短期金利の影響を受けるため、10年国債利回りが上がっただけで直ちに適用金利が同じ幅だけ上昇するわけではありません。ただし、長期金利の上昇が将来の政策金利引上げを反映している場合、後から変動金利にも影響が広がることがあります。

2026年7月のフラット35金利

住宅金融支援機構が公表している2026年7月資金受取分のフラット35では、借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合、取扱金融機関の金利範囲は年3.140%~年5.400%で、最も多い金利は年3.140%です。

融資率9割超の場合は、年3.250%~年5.510%で、最も多い金利は年3.250%です。実際の適用金利や手数料は金融機関、融資率、住宅性能などによって異なります。

金利が1%違うと返済額はいくら変わる?

3,000万円を35年間、元利均等返済、ボーナス返済なしで借りる場合の単純な試算は次のとおりです。

借入金利 毎月返済額の目安 35年間の返済総額
年2.0% 約9万9,400円 約4,174万円
年3.0% 約11万5,500円 約4,849万円
差額 約1万6,100円 約675万円

これは金利差の影響を示すための概算です。融資手数料、保証料、団体信用生命保険料、繰上返済、金利優遇などは含めていません。

長期金利と預金金利は連動する?

長期金利と預金金利には一定の関係がありますが、直接的に一対一で連動するわけではありません。

普通預金は短期金利の影響を受けやすい

普通預金はいつでも引き出せるため、短期の資金に近い性質があります。そのため、主に日銀の政策金利や短期市場金利の影響を受けます。

定期預金は期間に応じた市場金利も参考になる

期間の長い定期預金では、将来の金利見通しや中長期の資金調達環境も考慮されます。ただし、銀行が預金をどれだけ必要としているか、他行との競争、キャンペーンなどによって適用金利は異なります。

金利上昇局面では、金融機関によって預金金利の引上げ時期や幅に差が出ます。長期金利の上昇を見た直後に預金金利が同じ幅で上がるとは限りません。

長期金利上昇は日経平均にどう影響する?

長期金利が上昇すると、日経平均株価が必ず下落するわけではありません。企業の業種、利益成長、為替、市場の予想などによって反応が異なります。

影響を受けやすい業種

業種・企業の特徴 考えられる影響
銀行 貸出金利の上昇が収益改善につながる場合がある一方、保有債券価格の下落には注意が必要
生命保険 新たな資金を高い利回りで運用しやすくなる可能性がある
不動産 借入コストの増加や不動産利回り上昇により評価が下がる場合がある
成長株 将来利益の現在価値が低下し、株価の割高感が意識されやすい
高配当株 国債利回りとの比較で、配当利回りの魅力が相対的に低下する場合がある

日経平均には、輸出企業や半導体関連企業も多く含まれます。長期金利上昇によって円高が進めば輸出企業の円換算利益が減る場合がありますが、為替は海外金利、景気、政治情勢など多くの要因で動きます。

金利上昇の背景が、景気回復や企業利益の増加であれば、日経平均が上昇することもあります。長期金利の方向だけで株式市場を予測することは適切ではありません。

2026年の長期金利を考えるうえで欠かせないのが、日銀による政策金利の引上げと国債買入れの減額です。現在も長期金利の誘導目標があるのか、次のページで詳しく解説します。

長期金利がさらに上がる条件と、反対に低下する条件を次のページで整理します。