逆三尊のだましパターンとは?上抜けても安心できない
「逆三尊 騙し」「逆三尊 だましパターン」で特に知っておきたいのは、ネックラインを突破したからといって、その後も必ず上昇するわけではないという点です。
Charles Schwabも、ヘッドアンドショルダーズについて、ネックラインを突破したとしても、その方向への値動きが継続する保証はないと注意を促しています。
代表的に注意したい値動き
- ネックラインを一時的に上抜けた直後、すぐ下へ戻る
- 上抜け後に上昇が続かず、ネックラインを再び明確に下回る
- 右肩形成後に上昇するものの、ネックラインそのものを突破できない
- 3つの谷に見えても、そもそも中央の谷が明確なヘッドになっていない
- 先行する下落トレンドがなく、単なるレンジ内の値動きを逆三尊と誤認する
特に、ネックラインをローソク足のヒゲだけで一瞬上回ったようなケースでは、その後すぐに価格が戻ることがあります。ブレイクの判断方法には終値を使う方法など複数の考え方があるため、あらかじめ自分がどの条件で「突破」と判断するのかを明確にしておくことが大切です。
「逆三尊否定」とは?正式な統一ルールがあるわけではない
投資関連のSNSなどでは「逆三尊否定」という表現を見かけることがありますが、主要な証券会社やテクニカル分析機関が一律の価格条件を定めた正式なチャートパターン名ではありません。
一般的には、逆三尊として期待されていた上昇シナリオが崩れた状態を指す俗な表現として用いられます。
例えば、ネックライン突破に失敗して再び下落した場合や、突破後にネックラインを下回り、そのまま右肩やヘッド方向へ値下がりする場合などに「逆三尊が否定された」と表現されることがあります。
ただし、「ネックラインを1円下回れば否定」「右肩を割れば否定」といった市場共通の厳密な定義が存在するわけではありません。どの価格をパターン無効化の基準にするかは、分析方法によって異なります。
「逆三尊形成中」と「逆三尊完成」を混同しない
だましを避けるうえで重要なのが、形成中の形を完成済みと扱わないことです。
例えば、3つの谷がきれいに見えても、価格がネックラインより下にある段階では、一般的なチャート分析上はまだ完成前です。大和証券、SBI証券、マネックス証券の解説でも、ネックラインを越えることがパターン完成の重要な条件として扱われています。
逆三尊銘柄を見つけるときのポイント
「逆三尊 銘柄」として確認したい場合、特定の銘柄が永久に「逆三尊銘柄」になるわけではありません。チャートパターンは価格と時間軸によって変化します。
同じ株でも、日足では逆三尊のように見え、週足ではまったく別の形になることがあります。また、右肩を形成している途中なら、その後の下落によって逆三尊候補ではなくなる可能性もあります。
チャートで確認したいチェックポイント
- それ以前に明確な下落局面があるか
- 安値が3回形成されているか
- 中央の安値が最も低くなっているか
- 左右の肩が極端に不自然な位置になっていないか
- 2つの戻り高値からネックラインを引けるか
- 価格がネックラインを上抜けたか
- 株式ならブレイク時の出来高に変化があるか
逆三尊だけを理由に銘柄の将来性を判断するのも適切ではありません。株式投資では、決算、業績、財務状況、適時開示、市場環境なども値動きに影響します。テクニカル分析と企業のファンダメンタルズ分析は別の情報であり、それぞれの性質を理解して確認することが大切です。
逆四尊とは?一般的なテクニカル分析用語なのか
「逆四尊」という言葉を見かけることがありますが、今回確認した日本テクニカルアナリスト協会、野村證券、マネックス証券など主要なテクニカル分析用語集では、「逆四尊」という標準的なチャートパターンの定義は確認できませんでした。
インターネット上の掲示板や個人の投稿では、谷が4つあるように見えるチャートを「逆四尊」と呼んでいる例があります。しかし、逆三尊のように一般的な定義が確立された用語として扱うのは適切ではありません。
複数の肩を持つヘッドアンドショルダーズについては、英語圏のテクニカル分析資料でComplex Head and Shoulders(複合型ヘッドアンドショルダーズ)が扱われることがあります。そのため、谷が多いチャートを分析する場合は、「逆四尊」という名前だけで判断せず、実際の高値・安値とネックラインの構造を見るほうが重要です。
「逆三尊おじさん」とは?逆三尊の専門用語ではない
「逆三尊おじさん」という言葉についても、逆三尊そのものとは分けて考える必要があります。
今回確認した証券会社や日本テクニカルアナリスト協会の用語集に「逆三尊おじさん」というテクニカル分析用語はありません。一方、SNSや株式掲示板上では「逆三尊おじさん」という呼び名や、それに類する名称を使った投稿・アカウントへの言及が確認できます。
したがって、チャート分析の意味を知りたい場合には「逆三尊」「逆三尊底」「ヘッドアンドショルダーズボトム」の情報を確認するのが適切です。「逆三尊おじさん」という名称で発信されている個人・アカウントの情報については、チャート理論そのものとは切り離し、発信元や根拠を個別に確認する必要があります。
逆三尊を見るときに覚えておきたい5つの注意点
- 3つの谷だけでは判断しない:中央が最も深いことが基本
- ネックラインを確認する:2つの戻り高値を結んで考える
- 完成前と完成後を区別する:一般的にはネックライン上抜けで完成
- ターゲット価格を保証値だと思わない:値幅計算はあくまで目安
- だましを前提にリスクを考える:チャートパターンに100%の再現性はない
逆三尊に関するよくある質問
逆三尊の読み方は?
「ぎゃくさんぞん」と読みます。逆三尊底は「ぎゃくさんぞんぞこ」です。
逆三尊とは簡単にいうと何ですか?
3つの谷のうち中央が最も深くなる底型のチャートパターンです。下降局面から上昇方向への転換を考える際の代表的なテクニカル分析パターンとして利用されています。
逆三尊はいつ完成しますか?
一般的なテクニカル分析では、左右の谷と中央の谷ができただけではなく、2つの戻り高値を結んだネックラインを価格が上抜けた段階で完成と判断します。
ネックライン突破前に買えば有利ですか?
形成途中で将来の完成を先回りするほど、想定した形にならないリスクもあります。一方で、ネックライン突破を待った場合でも上昇が継続する保証はありません。どちらにも不確実性があり、逆三尊だけで売買を判断することは避けたほうがよいでしょう。
逆三尊の目標価格はどう計算しますか?
基本的には、ヘッドの最安値からネックラインまでの垂直距離を測り、その値幅をネックラインのブレイク地点から上方へ加えます。ただし、算出される価格はチャート分析上の目安であり、到達を保証するものではありません。
逆三尊の右肩は左肩と同じ価格でなければいけませんか?
完全に一致する必要はありません。実際の相場では左右非対称になることがあります。重要なのは、中央のヘッドが左右の肩より深く、ネックラインを含めて逆三尊として認識できる構造になっているかどうかです。
ネックライン上抜け後の押し目は必ずありますか?
ありません。ネックライン付近へ戻るケースはありますが、戻らずそのまま上昇することも、ネックラインを再び下回ることもあります。
まとめ|逆三尊は「3つの谷」よりネックライン突破までを見ることが重要
逆三尊は「ぎゃくさんぞん」と読み、逆三尊底、ヘッドアンドショルダーズボトムなどとも呼ばれます。基本的な形は左肩・最も深いヘッド・右肩という3つの谷です。
そして最も重要なのがネックラインです。2つの戻り高値を結んだネックラインを上抜けることで、一般的には逆三尊の完成と判断されます。形成途中の3つの谷だけを見て「逆三尊が完成した」と決めつけないことが大切です。
上値ターゲットについては、ヘッドからネックラインまでの値幅をブレイク地点から上方へ加える計算方法があります。また、突破したネックラインがその後の押し目の目安になる場合もあります。
一方、ネックラインを突破したように見えて再び下落する「だまし」もあり、目標値への到達も保証されません。「逆三尊否定」についても統一された厳密な定義があるわけではないため、値動きそのものを確認する必要があります。
また、「逆四尊」は主要なテクニカル分析用語集で標準的なパターンとして確認できず、「逆三尊おじさん」もチャート分析の正式名称ではありません。似た言葉を見かけても、一般的な逆三尊の理論と混同しないようにしましょう。
逆三尊は将来の価格を確定するものではなく、過去の値動きからトレンド転換の可能性を整理するための分析手法です。実際の投資判断ではチャートだけに依存せず、企業情報や市場環境、損失リスクなども含めて総合的に判断することが重要です。
<参考サイト> 野村證券 / 大和証券 / SBI証券 / マネックス証券 / 日本テクニカルアナリスト協会 / Charles Schwab / Fidelity


