米国株の決算発表予定を調べる方法
米企業決算発表の確認先は、速報性だけでなく、情報の正確性も重視して選ぶ必要があります。予定日を調べる段階と、発表結果を確認する段階では、適した情報源が異なります。
最優先は企業公式のIRサイト
最も優先度が高いのは、対象企業の公式IRサイトです。一般的に「Investors」「Investor Relations」「Events」「Quarterly Results」などのページに、発表日、発表時刻、決算説明会への参加方法が掲載されます。
企業公式IRでは、次の資料を確認できます。
- 決算発表の予定日と時刻
- 決算プレスリリース
- 株主向けレター
- 決算説明資料
- 決算説明会の音声や動画
- 提出された10-Qや10-K
SECのEDGARで正式な開示を確認する
EDGARは、米国証券取引委員会へ提出された企業開示を確認できる公式データベースです。企業名やティッカーを入力し、10-Q、10-K、8-Kなどに絞り込むことで、最新の提出書類を確認できます。
EDGARには、提出された書類をほぼリアルタイムで一覧表示する機能もあります。決算速報の内容を一次資料で確認したい場合に有効です。
Nasdaqの決算カレンダーを使う
NasdaqのEarnings Calendarでは、日付を指定して決算発表予定企業を確認できます。市場開始前、市場終了後、時刻未定などの区分も表示されます。
ただし、予定日の一部は過去の発表日を基に算出されるため、正式決定前の予想である可能性があります。気になる企業を見つけた後は、公式IRで確定情報を確認してください。
楽天証券の決算カレンダーと速報
楽天証券では、外国株式決算カレンダーや米国企業決算発表スケジュールが提供されています。ティッカー、企業名、発表日、決算期、予想EPSなどを一覧で確認できる場合があります。
また、楽天証券は米国企業の決算情報を日本語で伝える決算速報を提供しています。PC、スマートフォン、iSPEEDなど、利用する画面によって表示方法が異なる場合があるため、最新のサービス案内を確認しましょう。
2026年には、楽天証券が1月26日からプレマーケット取引、6月22日からアフターマーケット取引に対応しています。ただし、時間外取引の取扱時間、対象銘柄、注文方法は証券会社ごとに異なります。
企業決算速報は何を見ればよい?
企業決算速報では、最初に売上高と1株当たり利益が市場予想を上回ったかを見る方法が一般的です。しかし、この2項目だけでは企業の実態や株価反応を十分に判断できません。
次の順番で確認すると、情報を整理しやすくなります。
- 売上高:前年同期比と市場予想との差を確認する
- 1株当たり利益:実績値と市場予想を比較する
- 営業利益率:本業の収益性が改善したかを見る
- 事業別の実績:成長をけん引した部門と不振部門を確認する
- 会社の業績見通し:次の四半期や通期予想を確認する
- キャッシュフロー:事業から現金を生み出せているかを見る
- 設備投資:成長投資の規模と回収見込みを確認する
- 決算説明会:経営陣の説明と質疑応答を確認する
EPSとは何か
EPSは、1株当たり利益を表す指標です。企業が生み出した利益を発行済み株式数で割って算出します。決算速報では、市場参加者による予想の平均値であるコンセンサス予想と比較されることがあります。
ただし、速報に表示されるEPSには、会計基準に基づく数値と、一時的な損益などを調整した数値があります。予想値と実績値が同じ基準で計算されているかを確認してください。
売上高や利益が予想を上回っても下落する理由
決算が市場予想を上回っても、株価が必ず値上がりするわけではありません。株価は公表された過去の実績だけでなく、将来への期待も反映して動くためです。
好決算でも株価が下落する主な要因には、次のようなものがあります。
- 次の四半期の会社予想が市場期待を下回った
- 売上高は伸びたが利益率が低下した
- 設備投資や人件費が想定以上に増えた
- 重要事業の成長率が鈍化した
- 好決算が発表前の株価に織り込まれていた
- 決算説明会で慎重な見方が示された
- 一時的な要因によって利益が押し上げられていた
反対に、売上高や利益が市場予想を下回っても、会社予想の上方修正、利益率の改善、悪材料の出尽くしなどを理由に株価が上昇することがあります。
決算発表後に米株が値上がりする主な要因
決算発表後の米株値上がりは、単純に黒字だったかどうかではなく、発表前の市場期待との比較によって起きます。
| 確認項目 | 好感されやすい内容の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 売上高 | 市場予想を上回り、成長が続いている | 買収や為替による増加かを確認する |
| 利益 | 予想を上回り、利益率も改善している | 一時的な利益を除いて確認する |
| 業績見通し | 次期または通期予想が引き上げられた | 市場予想と比べる必要がある |
| 成長事業 | 重要部門の成長が加速している | 企業全体への利益貢献も確認する |
| 株主還元 | 自社株買いや増配が発表された | 財務余力を伴っているか確認する |
時間外株価だけで判断しない
米企業は通常取引の終了後に決算を発表することが多いため、最初の株価反応はアフターマーケットで表れます。ただし、時間外取引は通常取引より参加者が少なく、流動性が低くなったり、値動きが大きくなったりする場合があります。
売買価格の差が広がることや、注文が一部しか成立しないこともあります。また、時間外取引の価格は公式な終値ではなく、翌日の始値を保証するものでもありません。
米企業決算発表の注目銘柄はどう選ぶ?
注目銘柄は株価の知名度だけではなく、市場全体や関連産業へ与える影響の大きさで考えると整理しやすくなります。以下の企業名は代表例であり、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。
クラウド・AI関連
Microsoft、Amazon、Alphabet、Meta Platformsなどでは、クラウド事業、広告事業、AI関連売上、データセンター向け設備投資などが注目されます。設備投資計画の変化は、半導体、サーバー、ネットワーク機器、電力設備などの関連企業にも影響する場合があります。
半導体関連
NVIDIA、AMD、Intel、Broadcom、Qualcommなどでは、データセンター、自動車、パソコン、スマートフォン向け需要が確認されます。在庫、供給能力、新製品の立ち上がり、粗利益率、今後の需要見通しが重要です。
スマートフォン・デジタルサービス
Appleなどでは、端末販売だけでなく、サービス部門、地域別売上、部品調達、為替の影響なども確認されます。日本の電子部品、半導体製造装置、精密機器関連企業への連想が広がる場合があります。
金融関連
JPMorgan Chase、Bank of America、Citigroup、Goldman Sachsなどでは、貸出、預金、金利収入、投資銀行業務、貸倒引当金などが注目されます。大手銀行の決算は、米国経済や企業活動の状態を考える材料にもなります。
個人消費関連
Walmart、Costco、Home Depot、Nikeなどでは、既存店売上高、客数、客単価、在庫、値引き、消費者の節約傾向などが注目されます。米国の個人消費は業種によって状況が異なるため、1社だけで全体を判断しないことが重要です。
米企業の決算結果は、翌朝の日本株にも波及することがあります。どの日本企業が影響を受けやすいのか、2026年の米株休場日とともに次のページで整理します。



