政策金利が1%になると、預金の利息も自動的に1%になるのでしょうか。また、住宅ローンの返済額や国債価格、物価、為替にはどのような影響が及ぶのでしょうか。政策金利はニュースで頻繁に取り上げられますが、実際の暮らしへの伝わり方は一律ではありません。本記事では、2026年7月31日午前までに公表された日本銀行と米国連邦準備制度理事会の公式情報をもとに、現在の金利、これまでの推移、今後の見通し、発表スケジュールをわかりやすく整理します。

この記事の目次
- 政策金利とは何か
- 2026年現在の日銀政策金利
- 日本の政策金利の推移と歴史
- 政策金利が上がるとどうなるのか
- 預金金利・住宅ローン・国債への影響
- 日銀とFOMCの今後の見通し
- 2026年の政策金利発表スケジュール
政策金利とは?経済全体の金利に影響する「基準点」
政策金利とは、中央銀行が金融政策を行う際に操作・誘導する短期金利です。日本では日本銀行、米国では連邦準備制度理事会の金融政策を決めるFOMCが、景気、物価、雇用、金融市場などの状況を見ながら金利水準を判断します。
日本で現在の政策金利として扱われているのは、金融機関同士が担保なしで資金を貸し借りし、翌営業日に返済する取引の金利である無担保コールレート・オーバーナイト物です。日本銀行は、市場への資金供給や日銀当座預金への付利などを通じて、この金利を決めた水準付近へ誘導します。
政策金利は、住宅ローンや預金の店頭金利を直接決める数字ではありません。しかし、金融機関の資金調達コストや市場金利、国債利回りに影響し、時間をかけて預金金利、貸出金利、企業の資金調達、為替、株式や不動産などへ波及します。
日銀の政策金利は現在1%|2026年7月31日午前時点
本記事の最終確認時点である2026年7月31日午前現在、日本銀行の金融市場調節方針は、無担保コールレート・オーバーナイト物を1.0%程度で推移させるというものです。
この1.0%への引き上げは、2026年6月15日・16日の金融政策決定会合で決まり、6月17日から適用されました。同時に、金融機関が日本銀行に預ける当座預金の一部に適用される補完当座預金制度の金利も1.0%、基準貸付利率は1.25%となっています。
2026年7月30日・31日にも金融政策決定会合が開催されていますが、7月31日午前の確認時点では結果が公表されていません。そのため、本記事における「現在の政策金利」は、直近で確定している1.0%を指します。会合結果は会合終了後に日本銀行から公表されます。
日本の政策金利の推移|マイナス金利から1%まで
日本の金融政策は、長期間にわたる低金利やマイナス金利を経て、2024年以降は段階的な利上げ局面へ移っています。最近の主な推移は次のとおりです。
| 時期 | 主な政策金利・誘導方針 | 主な動き |
|---|---|---|
| 2016年2月 | 一部の日銀当座預金にマイナス0.1% | マイナス金利政策を開始 |
| 2024年3月 | 無担保コール翌日物を0~0.1%程度 | マイナス金利政策と長短金利操作を終了 |
| 2024年7月 | 0.25%程度 | 政策金利を引き上げ |
| 2025年1月 | 0.5%程度 | 追加利上げ |
| 2025年12月 | 0.75%程度 | 追加利上げ |
| 2026年6月 | 1.0%程度 | 追加利上げ |
日本銀行は、2024年3月に金融政策の枠組みを見直して以降、無担保コールレート・オーバーナイト物を政策金利として明確に誘導しています。ニュースで「日銀が政策金利を1%に引き上げた」と報じられる場合、この短期金利の誘導目標を意味します。
政策金利と公定歩合は同じものではない
かつて「公定歩合」は、日本銀行が金融機関へ資金を貸し出す際の代表的な金利であり、預金金利などとも直接的に連動していました。しかし、1994年に金利自由化が完了したことで、預金金利との直接的な連動関係はなくなりました。
従来の公定歩合に当たる金利は、現在では主に基準貸付利率と呼ばれています。これは、日本銀行が補完貸付制度を通じて金融機関へ資金を貸し出す場合に適用する金利です。2026年6月17日以降の基準貸付利率は1.25%であり、政策金利の1.0%とは別の金利です。
政策金利1%が家計にどう伝わるかは、預金と借り入れで大きく異なります。見落としやすい住宅ローンの注意点を次のページで確認しましょう。



