逆三尊は、株やFXなどのチャートで使われる代表的な底打ち・トレンド転換のパターンです。「3つの谷があれば逆三尊なのか」「ネックラインはどこに引くのか」「いつ完成するのか」「目標価格はどう計算するのか」といった点を理解していないと、形成途中のチャートを逆三尊だと思い込んでしまうことがあります。ここでは、証券会社や日本テクニカルアナリスト協会などの公開情報を確認したうえで、逆三尊の意味、読み方、形、ネックライン、押し目、エントリーを考える際のポイント、だましや否定パターンまで、初心者にもわかりやすく整理します。

- 逆三尊とは?読み方と意味
- 逆三尊の正しい形とネックライン
- 三尊・ダブルボトムとの違い
- 逆三尊が完成するタイミング
- ターゲットとなる目標価格の計算方法
- 逆三尊の押し目とエントリーを考えるポイント
- 逆三尊のだまし・否定パターン
- 逆三尊銘柄を確認するときの注意点
- 「逆四尊」「逆三尊おじさん」とは何か
逆三尊とは?読み方と意味を最初に理解しよう
逆三尊の読み方は「ぎゃくさんぞん」です。「逆三尊底(ぎゃくさんぞんぞこ)」とも呼ばれ、英語ではHead and Shoulders Bottom(ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム)、またはInverse Head and Shouldersなどと表現されます。
野村證券の証券用語解説では、逆三尊型を、下げ相場の安値圏で形成される三尊型の逆の形であり、ヘッドアンドショルダーズボトムとも呼ばれるチャートパターンとして説明しています。日本テクニカルアナリスト協会の用語集でも、3つの底値のうち中央が最も深く、左右が同程度の深さとなるものを逆三尊底としています。
つまり、単に谷が3つ並べばよいわけではありません。典型的な逆三尊では、中央の谷が最も低くなり、その左右に中央より浅い谷が形成されます。
逆三尊の基本的な形
チャートを左から順番に見ると、一般的には次のような構造になります。
- 左肩:最初の安値を形成して反発する
- ヘッド:再び下落し、左肩より低い安値を形成する
- 右肩:もう一度下落するものの、ヘッドの安値までは下がらず反発する
- ネックライン:左肩とヘッド、ヘッドと右肩の間にある2つの戻り高値を結ぶ
形を単純化すると、中央だけ深い「谷・深い谷・谷」という並びです。人間の頭と両肩を逆さまにしたように見えることから、ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトムと呼ばれます。
逆三尊底は「3つの谷ができた時点」では完成していない
逆三尊を見るうえで特に重要なのが、右肩ができただけでは一般的な意味で逆三尊の完成とは判断しないことです。
大和証券のチャートパターン解説では、2つの戻り高値を結んだ線をネックラインとし、そのネックラインを上回ることで逆ヘッド・アンド・ショルダーが完成すると説明されています。マネックス証券も、価格がネックラインを上抜けることで下落トレンドの終息サインとなり、ヘッドアンドショルダーズボトムが完成するとしています。
したがって、「左肩・ヘッド・右肩らしきものが見える」という段階と、「ネックラインを上抜けてパターンが完成した」という段階は区別する必要があります。
逆三尊のネックラインはどこに引く?
逆三尊のネックラインは、3つの谷の間にある2つの戻り高値を結んだ線です。
例えば、左肩から反発した高値が1,000円、ヘッドから反発した高値も1,000円付近だった場合、1,000円前後に水平なネックラインを引くことができます。
ただし、ネックラインは必ず水平になるとは限りません。マネックス証券のテクニカル分析用語集でも、ネックラインは必ずしも水平ではないと説明されています。2つ目の戻り高値が1つ目より高ければ右肩上がり、反対なら右肩下がりのネックラインになります。
三尊と逆三尊の違い
| 項目 | 三尊天井 | 逆三尊底 |
|---|---|---|
| 基本形 | 3つの山 | 3つの谷 |
| 中央部分 | 中央の山が最も高い | 中央の谷が最も低い |
| 現れやすい局面 | 上昇相場の高値圏 | 下落相場の安値圏 |
| 完成の目安 | ネックラインの下抜け | ネックラインの上抜け |
| 一般的な解釈 | 上昇から下落への転換を考える材料 | 下落から上昇への転換を考える材料 |
なお、チャートパターンは過去の価格推移から一定の形を見つけるテクニカル分析であり、パターンが完成しても将来の上昇や下落が保証されるわけではありません。
逆三尊は「形を見つける」だけでは十分ではありません。実際に重要になるネックライン突破後のターゲット計算と押し目の考え方を、次ページで詳しく解説します。


