資産運用立国議員連盟とは?2026年の提言とNISA・iDeCoへの影響をわかりやすく解説

2026年の提言「資産運用立国のアップグレード」とは

資産運用立国議員連盟は2026年5月14日、「日本成長戦略を金融面から支える『資産運用立国』のアップグレード」と題する提言を公表しました。

提言では、資産運用立国を単に「家計の預金を投資へ移す政策」として捉えるのではなく、企業、銀行、資産運用会社、年金基金、大学、個人投資家などを含めた資金循環全体を改善する方針が示されています。

大きな柱は次の3つです。

  • 金融機関や市場による資金供給・成長支援機能の強化
  • 企業による成長投資の促進
  • 資産運用を通じた国民の豊かさの向上

対応時期が明記されていない項目については、原則として2026年度末までを目途に結論を得ることも求めています。ただし、これは議員連盟が希望する検討時期であり、すべての制度が2026年度中に開始されるという意味ではありません。

iDeCoに50歳以上の「キャッチアップ拠出枠」を提案

家計への影響が大きい提案の一つが、50歳以上を対象とするiDeCoのキャッチアップ拠出枠です。キャッチアップ拠出とは、通常の掛金上限とは別に、一定年齢以上の加入者が追加で拠出できる仕組みを指します。

提言では、20代から40代に子育て、住宅費、所得事情などによって十分な資産形成ができなかった人もいるとして、米国の制度を参考に50歳以上の追加枠を検討するよう求めています。

ただし、2026年7月時点で、50歳以上の追加枠が現在のiDeCoに導入されたわけではありません。対象年齢、追加できる金額、開始時期などは未決定です。提言では、次期年金制度改革までに検討する方針が示されています。

このほか、iDeCoや企業型DCについて、次のような改革案も挙げられました。

  • 金融機関による個別商品の助言を受けやすくする
  • ロボアドバイザーを運用商品の選択肢に加えることを検討する
  • 商品ラインナップの見直しを進めやすくする
  • 手続きや制度運営を簡素化する
  • NISAとの違いや使い分けを含めた広報を強化する

iDeCoには掛金が所得控除の対象になる利点がありますが、原則として老後の受取時期まで資金を自由に引き出せません。制度拡充のニュースだけで判断せず、税負担、生活資金、受取時の課税まで含めて考える必要があります。

こどもNISAは2027年から始まる予定

「こどもNISA」は一般的な呼び方で、制度上は未成年者向けのつみたて投資枠として整備されました。2026年度税制改正により、2027年1月から18歳未満でもNISA口座を開設できる仕組みが導入されます。

未成年者の枠は年間60万円、非課税保有限度額は600万円です。購入できる商品は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託などに限られます。

かつてのジュニアNISAとは制度内容が異なり、教育費や生活費を目的とする払い出しについても一定のルールが設けられています。親や祖父母が自由に自分の資金として利用できる口座ではなく、子ども本人の資産として管理することが前提です。

2026年の議員連盟の提言では、NISAについて新たな大規模拡充を急ぐというより、これまでの制度改正を着実に実施し、利便性の改善や普及を進める方向が示されています。

銀行や企業、年金基金に関する改革案も多い

提言の中心は個人向け制度だけではありません。銀行による企業への融資や出資を行いやすくする規制の見直し、社債市場の活性化、プライベートエクイティやベンチャーキャピタルへの資金供給なども盛り込まれています。

また、企業に対しては、短期的な株主還元だけに偏らず、研究開発、人材、設備、新事業などへの成長投資を進めることを求めています。公的年金、共済組合、企業年金、大学などのアセットオーナーについても、受益者の利益を優先しながら運用力を高める方針が示されました。

骨太の方針2026には何が盛り込まれた?

2026年7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026」では、資産運用立国の取組をさらに発展させることが明記されました。

具体的には、「成長投資を促進するための金融戦略」を策定し、金融機関の資金供給機能、金融市場、地域金融力を強化するとしています。また、アセットオーナーの機能向上、家計の安定的な資産形成、個人向け国債の魅力向上なども盛り込まれました。

一方、議員連盟が提案した50歳以上のiDeCo追加拠出枠について、金額や開始日が骨太の方針で確定したわけではありません。「提言に書かれた段階」「政府が検討方針を示した段階」「法律が成立した段階」を分けて理解する必要があります。

政策が拡充されても、すべての人が投資額を増やすべきとは限りません。特に20代では、長い運用期間だけでなく、転職や引っ越しなど近い将来の支出も考えることが大切です。