株式市場では、多数の取引参加者の様々な注文が引されています。そして、最新の取引が成立した時点の株価が表示されます。つまり、株価は買いたい人の買いたい株価と株を売りたい人の売りたい株価が一致したところで決まるということです。仮に、今の株価が高い、または安いと判断する人がどちらかに大きくかたよった場合は、大きく買われて値段を上げることもあれば、大きく売られて値段を下げることにつながります。株価は、思惑によって生じたかたよりの影響を受けると上下します。

＜思惑を生む要因ってなに？＞

買いたい人が多ければ株価は上がり、売りたい人が多ければ株価は下がりますが、どうして買ったり売りたくなったりするのか。個別要因であれば、業績の変化や配当金の増減、事業規模の拡大や縮小、等が株価に影響を与える要因となります。株式は会社の価値を示しており、会社の資産や価値の変動は、株価を変動させる要因となります。

また、株価は個別要因だけでなく、外部環境の影響により変動することもあります。国内外の経済の先行き見通しにより、全般的な動きとして株価が変動する局面では、その影響を受けて、市場全体の動きに連れて変動することがあります。「バブル」や「ショック」と言われる市場全体の株価の上下は、個別要因ではなく全体の動きに連れて株価が動き過ぎた状態と言えます。

＜思惑に惑わされないように＞

株式投資においては、他人より早く判断し、動くことが重要と言われているため、常に思惑はつきものです。しかし実際のところ、思惑はあくまで予想によって生じるもので、確定していない事も多いです。そこに株価変動が加わってくると、「もっと上がるのでは？」、「下がるのでは？」という連想が働き、思惑が独り歩きすることもあります。

しかし、一方向に行き過ぎた株価は、ほとぼりが冷めると正当に評価され、株価は会社の実体に即した妥当な位置に落ち着くケースが多く見られます。様々な要因がありますが、思惑に惑わされ過ぎないよう冷静な投資判断を行うことこそが重要だと言えるでしょう。

＜株価は思わない方向に動くことも＞

株価が変動する要因は、個別の要因による会社の状況の変化や外部環境によるものですが、必ずしも素直に上がらないのが株式です。例えば、会社が業績の上方修正を発表したにも関わらず、株価が上がらないことがあります。投資家が期待していた数字に届いていなかったために、既に株価に「織り込まれている」と捉えられた場合は、上方修正であれ、株価を押し上げる材料にならず、むしろ「失望の売り」で株価が下がるケースさえあります。

株式は、良い材料や悪い材料に素直に反応しないことが株式投資の難しいところでもあります。株価の変動に与える影響は様々ですが、惑わされることのないよう日々、情報のチェックをしっかり行う必要があります。