ジブリ美術館には、「土星座」という名前のミニシアターがあります。80人ほどが入れる小さな映画館で、毎日数回、約15分の短編アニメが上映されています。

＜上質な短編アニメを＞

上映されているのは、ここでしか見られないオリジナルアニメや、絵本・昔話を題材にしたアニメなど、宮崎駿監督による作品がほとんど。作品はほぼ月替わりで上映されています。私が見たのは、「ちゅうずもう」。よく知られた昔話を題材としているのですが、登場するおじいさん、おばあさん、ねずみたちの動きや表情は、まさにジブリキャラクターそのもの！ストーリー展開も結末も十分知っているはずなのに、いつの間にかその世界に引き込まれ、見終わったときには大きな拍手を送っていました。

＜みんな笑顔に＞

シアターの座席は、子ども用の長イスが階段状に並んだような造りになっています。小さい子から大人まで、ちょこんと座って映画を見る姿が、なんとも微笑ましく感じられました。その日はアジア系の外国人客が多く、字幕のない作品でも大丈夫なのかと他人事ながら心配したのですが、ナレーションやセリフ自体が少なく、言葉がなくても映像だけでしっかりおもしろさが伝わる内容でした。受付でもらったリーフレットによると、聴覚に障害のある人向けに、日本語の字幕付き作品の上映もあるそうです。訪れた人みんなを笑顔にしてくれる映画館なのですね。

＜切符を持って待機しよう＞

ジブリ美術館の入館は予約制ですが、ミニシアターの中は自由席なので、時間帯によってはけっこう混雑します。入館後、すぐにその日の上映作品、時刻をチェックし、15分前ぐらいにはシアター入り口あたりで待機するのをおすすめします。入館時に受付でもらうフイルム切符が必要なので、なくさないように気を付けましょう。