受付をすませ、館内に入ってすぐの大きな階段を下りて初めて、「あれ？」と気付くことがあります。ジブリ美術館には、一般の美術館のような「順路」「案内図」がないのです。受付でもらうリーフレットを見ても、おおまかな館内イラストしか載っていません。そこに書いてあるキャッチフレーズは、「迷子になろうよ、いっしょに」。

＜全体像を頭に入れて＞

ジブリ美術館は2階建て＋地下1階、受付からすぐの階段を下りると、地下になります。地下のメインは、アニメーション映画の原理を紹介した部屋とミニシアターです。1階は、常設＆企画展示室、2階は、図書室と子どもが遊べるネコバスルーム、そしてショップになっています。各階とも中央部が吹き抜けになっていて、回廊で部屋がつながっています。屋上には小さな庭園があり、「天空の城ラピュタ」に登場するロボット兵が1体たたずんでいます。また、美術館から中庭をはさんだところがカフェスペースになっています。

＜迷子に？それとも、迷わずに？＞

不思議なことに、カフェも屋上への通路も、窓から見えているのにスムーズにたどり着けません。各階へは階段やエレベーターで行けるのですが、その場所が分かりにくいせいかもしれません。館内には空中通路やらせん階段があったり、地下なのに明るく、外に出ることができたり。自分が何階にいるのか分からなくなってしまうのです。

時間に余裕があるなら、迷子になりながら当てずっぽうに歩き回るのもけっこう楽しいものです。館内をうろうろしながら、意外なところにある展示や可愛い飾り付けを見つけると、ちょっと得をしたような気持ちになります。

限られた時間の中で効率的に見て回るには、最初に地下から3階までの中央部をざっと歩いて、展示室、階段、エレベーターの位置を確認しましょう。そのあと、興味のある展示に戻ってじっくり見るのがオススメです。ミニシアターでのアニメ上映時刻チェックも忘れずに。

＜ジブリの世界の中へ＞

　ジブリ美術館では、一歩足を踏み入れた瞬間から、映画の中に入り込んだような気持ちになります。その中をどこからどんなふうに見て回るかは、人それぞれ。できれば、迷子になりながら、ゆったりした時間を過ごしたいですね。