スポーツやジムで体を動かす前に、入念にストレッチをしますね。柔軟体操と一緒に脹脛を伸ばしたり、脇腹や腰をひねって伸ばしたり、足首、手首、首もぐりぐり回して、固まっている身体を解きほぐしてから本番の運動を始めます。ヨガを始めるときにこんな事はしません。

■　強張った身体を予防する「ストレッチ」

準備運動として、軽いジョギングや柔軟体操、ストレッチ運動をします。何故でしょうか？日常生活で、使われていない体の筋肉は緊張して張ったり凝っていたりします。その状態で急に運動をすると身体を痛めてしまうので、緊張や張りを和らげる必要があるのです。肩こりや腰が痛い時、脚がパンパンになった時など、ストレッチすれば凝りがほぐれて血流がよくなるのが分かりますね。ストレッチは、硬くなっている部分に直接働きかけることで、身体を痛めないようにする予防的な運動なのです。

■　呼吸法とポーズで心身のエクササイズが「ヨガ」

ストレッチに呼吸法は関係ありませんが、ヨガでは呼吸はポーズとともにとても大事です。インドの修行として始まったヨガは、全身運動と精神修行に通じるものがあります。ヨガの呼吸法は、ゆっくりとした深いもので腹式呼吸になる有酸素運動です。体調を良くして身体の不調を整えることは出来ますが、ストレッチのような即効性はありません。その場で効果を得るにはヨガは不向きですが、心身をリラックスするためには大変有効なエクササイズになります。

■　「ヨガ」と「ストレッチ」

その人の体の状態に合わせて出来る点では、ヨガもストレッチも同じでしょうが、目的が全く異なります。すぐに効果を求め、一部分に働きかけるのが「ストレッチ」になります。それに対して「ヨガ」は、ポーズや呼吸法が決まっているので、なれるための時間が必要になります。ポーズと呼吸に慣れてくると、全身運動として大変効果があります。ストレッチで柔軟な体作りをして、ヨガを行うことで心身の健康を手に入れるのはいかがでしょう。両者の良い点を、必要に応じて使い分けるとより効果的になるでしょう。