社会人1年目、なんとなく勢いで行ってみたキャバクラにのめり込み、自身の給料では何度も通えないので、気軽に利用できたサラ金を何の考えもなく利用しはじめました。当時、金利は29.8%。返済額のほとんどが金利でした。

＜返済用口座の手続きも無視＞

奨学金の返済開始は、卒業した年の10月からです。それまでに奨学生は返済のための口座振替（リレー口座）の手続きが必要で何度か案内が届きましたが、その案内を無視して口座振替の手続きを行いませんでした。なぜなら、奨学金を返済する余裕が無かったからです。たった半年の間に利用額が100万円を超えていました。しかも、1社では足らず2社から利用していました。いわゆる多重債務者になってしまったのです。毎月の返済が約6万円ほどになりました。

＜自分の口座感覚で使えたサラ金＞

サラ金のCMで「ご利用は計画的」に言いますが、まさにその通りです。きんと計画を立てて利用すれば何の問題もないのに、己の欲望のままに利用すれば、あっという間に身動きが取れない状態になります。また、恐ろしいのが、いつの間にか自分が利用できるもう一つの銀行があるという感覚に陥るのです。給料振込口座の残高が少ない。じゃ、あっちを利用しよう。そう思うようになって行きました。友人たちと食事に行った時の食事代、新しい服を買う時の服代が、もうひとつの銀行からの支払になっていったのです。

＜督促は忘れた頃にやってくる＞

そんなある日、家に一通の封筒が届きました。中身は、奨学金の支払督促状です。中には現在までの滞納額の明細と、振り込み用紙が入っていました。明細の下部には支払いが困難な場合は相談する様にと書かれていたのですが、相談することはありませんでした。奨学金の返済を、どうせ役所仕事だと舐めきっていたのです。