高額療養費制度には自己負担限度額を更に軽減する仕組みとして、「多数回該当」と「世帯合算」があります。また、高額療養費制度の支給額を求める計算順序を理解する事が重要です。

＜多数回該当と世帯合算＞

高額療養費制度の自己負担額をさらに軽減する仕組みとして、「多数回該当」と「世帯合算」があります。「多数回該当」は、高額療養費支給の対象となった回数が３回以上になった場合、更に自己負担額の上限が軽減される仕組みです。「世帯合算」は、被保険者とその家族（この場合の家族とは同じ保険証に記載されている被扶養者）であれば、世帯として同一月内の医療費を合算して計算する仕組みです。ただし、７０歳未満の方の場合、合算できる医療費は受信者毎に21,000円を超えた医療費に限られます。

＜計算方法＞

高額療養費制度の計算順序は以下の通りで計算されます。ご自身に該当しない項番（例えば７０歳以上の方が世帯にいない場合は３）のみで計算）は除く事で、支給額を計算できます。

１）７０歳以上の方を対象に、個人単位で外来分を計算

７０歳以上の方を対象に外来分の限度額を適用し、支給額を算出します。

２）７０歳以上の方を対象に、世帯単位で自己負担限度額（外来・入院）を計算

１を適用後になお残る自己負担額に、７０歳以上の方の入院の自己負担額を世帯で合計し、７０歳以上の方の自己負担限度額を適用し、支給額を算出します。

３）７０歳未満の方を含めた世帯で自己負担限度額（外来・入院）を計算

２を適用後になお残る自己負担額に、７０歳未満の方の医療費（21,000円以上）を世帯で合計し、７０歳未満の方の自己負担限度額を適用し、支給額を算出します。

＜高額療養費制度の計算のポイント＞

高額療養費制度には、「多数回該当」、「世帯合算」といった更なる軽減の仕組みがあります。また、高額療養費の計算は７０歳以上の方を先ず計算し、次に７０歳未満の方を含めた医療費の合計を算出し、支給額を計算します。