高額療養費制度が適用される条件について、知っている場合と知っていない場合で大きな差が出てきます。高額療養費の制度を上手く活用し自己負担を下げるためのポイントをお伝えします。

＜高額療養費制度で知っておきたいポイントとは＞

高額療養費制度を上手く活用する上でのポイントは、”高額療養費制度における医療費は１か月の間で発生した費用を集計する”という事です。高額療養費は月毎に計算され、その上限額を超えて支払った医療費が被保険者に支給されます。言い換えると、”月を跨って発生した医療費は月毎に分かれて計算される”という事です。医療費が月を跨って発生する場合（入院など）においては、上記の集計方法を知っておく事で、高額療養費制度の恩恵を受けることができます。

＜高額療養費制度で得する事例＞

例えば、Aさん（７０歳、所得区分：一般）が２０日間医療機関に入院をする場合（入院費を１０万円と想定）を考えてみます。入院の期間が同月内か、月を跨るかによりそれぞれ、支給額を計算してみます。

１．同月内（１０日から３０日まで）に入院した場合

７０歳で所得区分＝一般の方の場合、自己負担限度額が44,400円のため、その差し引き額である　55,600円が高額療養費制度により支給される金額となります。

２．月を跨る（２０日から翌月の１０日までに入院）場合

この場合、入院費が月を跨るため、それぞれの月で５万円の医療費が発生します。この場合の高額療養費制度により支給される金額は、50,000円-44,400円=5,600円×２か月分=11,200円となります。同月内と２か月に跨る場合では、高額療養費制度に従って計算される支給額に差が発生します。

＜入院時は１か月以内の入退院がお得＞

入院をする場合は、高額療養費制度の面から見た場合、同月内で入退院をした方が、月を跨る場合に比べ、高額療養費制度における支給額に差が発生する事になります。長期入院する場合は、上記の事を上手く活用してはいかがでしょう。